2012年10月7日日曜日

土田英生さんによるワークショップ

昨日行なわれた、岩松了さんのワークショップに引き続き、本日は土田英生さんのワークショップが行われました。土田さんには昨年5月にもこちらで初心者向けのワークショップをして頂いたのですが、前回の好評を受けて再びの登場となりました。
 土田さんのワークショップのテーマは一環して演じる際の「間と呼吸」についてです。彼が劇団を始めた頃から取り組んでいるテーマだけあって、初心者にも非常にわかりやすく、ためになります。そして、何より常に笑いを取りながらワークを進めて下さるので、とても楽しく時間が過ぎていきます。
 舞台に立って、人に見られた時どうなるか、実際に参加者に前に出てもらって、そこで起こる変化を皆で感じとる所からワークショップは始まります。そうした場合に顕著な変化を見せる呼吸に注目し、「緊張しているときの呼吸」から「リラックスした状態」になる為に、呼吸のしかたをかえることで、からだの状態までを変化させていきます。
「台詞を言うだけでは演技にリアリティーが出ない、舞台上のキャラクターがその場面にふさわしい呼吸になっているかが大事」など、舞台上の役者の呼吸が客席にも伝わることや、その流れが芝居にリアリティーとリズムを生むことを、実演も交えながらわかりやすく解説してくださいます。そして最後には「驚く、もっと驚く、感慨がわき上がる」といった役者に要求された芝居のシチュエーション(演技の流れ)を、呼吸の変化に注目して演じてみる実践も行ないました。
 普段あまり気にしない、呼吸や間といったことに注意することで、演技の説得力がますことが、演劇初心者にも良くわかったのではないでしょうか。

2012年10月6日土曜日

岩松了さんによるワークショップ

高槻現代劇場で行なわれた『起点 starting point』という演劇のイベントの一環で、岩松了さんのワークショップが行われました。
この講座は、「一度やってみませんか」という副題がついている通り、「演劇」の初心者を対象に、演劇の「練習」を体験してもらうことを目的に開催されました。初心者向けと謳っていましたが、内容は、初心者だけではなく、経験のある方にも十分役にたつもので、参加した何名かの経験者にとっても満足いただけるものだったのではないでしょうか。
 さて、今日のワークショップでは、即興でシーン創作を行ないました。冒頭にどのように創作するのか、創作のポイントについて岩松さんから説明があって、それからグループに分かれての創作、発表を行ないました。説明では劇作家らしく、ことばと場面設定について詳しいお話がありました。もちろん演技にもつながることですが、「物語」を説明しようとするのではなく、その人がそこですべきことをする。一言でいろいろな想像が観客に喚起されるようなことばを選ぶ。ということを丁寧にお話し頂きました。
後半行なわれた即興は、2〜3名のグループに別れ、「お金」「幸せ」「別れ」という3つのテーマから、一つ選んで場面設定し即興で演じるというものでした。グループで話し合った後、ひと組ずつ発表し、それに対して、順番に受講生もコメントをします。もちろん岩松さんからもそれぞれに詳しいコメントや、指示を頂きました。そのコメントからは、人間のどうしようもなくにじみ出てしまうような、おかしさを作品にしている岩松さんらしく、人の面白さ(興味)への視点や、またどうすると見ているものに伝わりやすくなるかが、よく伝わってきました。